鳥取は、別名「カニ取県」と呼ばれるほど
カニ漁が盛んです。※
そこで毎年大量に生み出される「カニ殻」を、
セルロースファイバーの抽出技術を応用し、
バイオ資源として有効活用したいと
思ったのがきっかけで
「カニ殻」をテーマに研究がスタートしました。
※鳥取の境港は、日本一のカニ水揚げ量を誇ります。
着目したのは、カニ殻に含まれる
「キチン」という糖質。
キチンとは、カニやエビ、昆虫などの
節足動物の外骨格の主成分で、
いわば「自然界が育んだ天然の繊維」。
特許を取得した粉砕技術で、
このキチン繊維を極限まで微細化し、
汎用性の高いナノファイバーとして
生まれ変わらせました。
カニ殻生まれのキチンナノファイバーが、
肌にすっとなじんでいき、潤いをもたらします。
荒れた角質層の起伏を満たし、
繊密な皮膜を形成します。
お肌をなめらかに、刺激から守ってくれる理由です。
そう、まるでカニの殻の様に。
「蟹取県」とっとりはカニが特産品。食べた後の大量の殻を有効活用したいという思いがきっかけでした。カニ殻の主成分はキチンという糖質で、きのこにも含まれる馴染みの深い成分です。特許取得した粉砕技術を使い、キチンをナノサイズの極限まで微細化。水に良く馴染む、ぷるっとしたジェル状の分散液に生まれ変わりました。研究材料として評価すると驚くほどたくさんの特徴があることがわかってきました。例えば、キチンナノファイバーは肌にすっと馴染んで、うるおいをもたらします。荒れた角質層の起伏を満たすように緻密な被膜を形成して、お肌をなめらかにし、刺激から守ってくれます。まるで、カニの外皮のよう。まさに、カニ頼み。鳥取発のマリン新素材を困っているあなたに届けたい。それが私たちの願いです。
※甲殻アレルギーの原因物質はトロポミオシンと呼ばれるカニの身由来の成分です。カニ殻由来のタンパク質はアレルゲンではないとされています。
鳥取大学大学院教授 伊福 伸介